消費カロリーが摂取カロリーを上回れば痩せるならカロリー源が全て脂質であっても痩せる?

(※摂取カロリーが1800kcal、消費カロリーが2000kcalと仮定)

消費カロリー(2000kcal)よりも摂取カロリー(1800kcal)のほうが少なければ、たとえ摂取したカロリー源がすべて脂肪であっても体重は減少します。これはエネルギー収支(消費 > 摂取)の法則が基本となるためです。

しかし、実際には以下のような問題点が生じます。


1. 栄養バランスの偏り

  • タンパク質不足
    すべてを脂肪で摂取していると、筋肉の材料となるタンパク質が不足しがちです。その結果、筋肉量が落ちてしまい、基礎代謝の低下や体力低下を招く恐れがあります。
  • ビタミン・ミネラル不足
    野菜・果物や炭水化物源(穀物など)を極端に制限してしまうと、ビタミンやミネラルが不足し、代謝やホルモンバランスに影響が出る可能性があります。

2. 健康リスク

  • 脂質の質(飽和脂肪酸・トランス脂肪酸など)
    たとえば、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の割合が極端に多いと、心血管疾患や脂質異常症のリスクが高まるとされています。
  • コレステロールの問題
    大量の脂肪を摂取することで、血中コレステロール値に悪影響が及ぶ場合があります。

3. 体重減少はするが、「体組成の改善」には不利

  • 筋肉を保持しづらい
    筋肉を維持・増強するうえで、十分なタンパク質摂取と、トレーニング後の栄養補給(タンパク質 + 適度な炭水化物)が重要です。
  • 見た目やパフォーマンス面への影響
    カロリーさえ低ければ体重は落ちますが、筋肉量が減って「締まった体」というよりも「やつれた体」になりやすい傾向があります。

4. 実際におすすめなのは「バランスの取れた減量」

  1. カロリー:適度なマイナス収支
    例:消費カロリーが2000kcalなら、1日あたり1800~1900kcalを目安にする。
  2. 三大栄養素(PFCバランス)
    • P(たんぱく質):体重1kgあたり1.5~2.0gを目標に摂取
    • F(脂質):全体の20~30%程度(良質な脂肪を含む)
    • C(炭水化物):残りのカロリーを炭水化物で調整。可能ならGI値の低めの穀物(玄米・全粒粉など)を中心に
  3. 運動:筋トレ + 有酸素運動
    • カロリー消費 + 筋肉量維持・アップ
    • 筋肉を減らさず、かつ健康的に脂肪を燃焼させる

まとめ

  • 「摂取カロリー < 消費カロリー」であれば体重は落ちるというのは事実です。
  • ただし、すべてを脂肪から摂取するような偏った食事は、健康リスク・筋肉量維持・体組成改善などの面で問題が大きい。
  • 結果的に「見た目やパフォーマンスが低下し、体調を崩しやすいダイエット」につながる可能性があります。
  • 減量中でもバランスの取れたPFC(たんぱく質・脂質・炭水化物)を摂り、適度な運動を組み合わせることが、より健康的で持続可能な痩せ方につながります。

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