NEAT(非運動性活動熱産生*とは、日常生活の中で行われる意図しない身体活動によるエネルギー消費のことです。ジョギングや筋トレなど「運動」として意識的に行う活動ではなく、通勤中の歩き、家事、買い物、立ち仕事、姿勢保持のための動きなどが NEAT にあたります。
NEAT を意識的に高めることで、1日の総消費カロリーを増やし、体重管理や健康増進に役立てることができます。ここでは、NEAT の重要性と具体的な工夫を解説します。
1. NEATとは?NEATが重要視される理由
- 日常生活の大半を占める
1日の運動時間が1時間ほどでも、残りの23時間は仕事・家事・睡眠などで過ごします。総エネルギー消費量の中でNEATが占める割合は意外と大きく、積み重なると体重や体脂肪に影響を与えます。 - 継続しやすい
トレーニングを頑張りすぎたり、ハードな有酸素運動を毎日続けたりするのは大変ですが、日常の動作を少し工夫するだけで NEAT はアップします。無理なく長期的に継続できるというメリットがあります。 - 健康リスク低減
座りっぱなし時間が長いと、生活習慣病や心血管リスクが高まると言われています。NEAT を高めることで自然に座りすぎを防ぎ、健康リスクを下げる効果も期待できます。
2. NEATを高める具体的な方法・増やし方
2-1. 日常動作を増やす工夫
- 通勤・通学で歩く距離を増やす
- 一駅手前で降りて歩く
- 可能なら自転車通勤に切り替える
- エスカレーターやエレベーターではなく階段を利用
- こまめに立ち上がる
- オフィスワークの方は、1時間に1回は立ち上がって伸びをする・水を飲みに行く
- 電話をするときに立って応対する
- スタンディングデスクや昇降式デスクを取り入れる
- 家事・掃除をアクティブに行う
- 掃除機やモップ掛けなどを意識的に時間をかけて行う
- こまめに片付ける習慣をつける(溜め込まず、定期的に体を動かす)
- 買い物・用事は車やネットに頼りすぎない
- 歩いて行ける範囲なら、買い物や用事は積極的に徒歩や自転車で
2-2. 座り姿勢の改善
- こまめに姿勢を変える
長時間同じ姿勢は身体への負担だけでなくエネルギー消費も抑えがち。背もたれから少し背筋を伸ばす、足を組み替えるなど細かい変化をつける - ながら動作を取り入れる
テレビを見るときに軽い足踏みやスクワットなど、座りっぱなしを避ける小さな動きを挟む
2-3. ストレッチや簡単エクササイズ
- デスクワークの合間に肩回しや首まわし
凝り固まった筋肉をほぐすだけでなく、上半身の筋肉を動かす機会が増える - 軽い家トレを習慣化
プッシュアップやプランク、スクワットを少し回数だけでもこなせば、NEAT より少し強めの運動にもなり、体幹や下半身の筋力維持にも貢献
3. NEAT習慣が持続するコツ
- 小さな目標設定
- いきなり大きく動きを増やすのではなく、1日3000歩 → 3500歩のように、無理のないペースでアップ
- タイマー/アプリを活用
- スマートフォンやリストバンド型のデバイスで、歩数や座り時間を可視化する
- 一定時間ごとに通知で立ち上がるよう促す
- 環境づくり
- オフィスや自宅で立ちやすい配置にする(書類棚やプリンターを少し離れた場所に置くなど)
- テレビリモコンやスマホを手元に置きすぎず、取りに行く「手間」を敢えて作る
- 仲間と一緒に取り組む
- 家族や同僚と歩数チャレンジをする
- スタンディングミーティングを取り入れるなど、周囲も巻き込むとモチベーションが続きやすい
4. まとめ
- NEAT(非運動性活動熱産生)を高めることは、座りすぎのリスクを低減しながら1日の総消費カロリーをじわじわと底上げする有効な手段。
- 大がかりな運動をしなくても、「立ち上がる回数を増やす」「階段を使う」「徒歩や自転車で移動する」など、日常の中でできる小さな工夫の積み重ねがカギ。
- NEATを意識することで、体重管理だけでなく、姿勢改善や気分転換、健康全般にも良い影響をもたらします。
「大きな運動」の追加も大事ですが、まずは「小さな動き」の回数を増やすことから始めてみてください。 ダイエットや健康維持が長続きしやすく、日々の生活がよりアクティブで快適になるはずです。
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